オーストリア散策 > エピソード > No.001-050 > No.027 |
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日本では大晦日になると、ベートーベンの第九を歌いますね。ベートベンはドイツのボンに生まれた人ですが、その活躍の場はウィーンでした。こういうところにも日本とオーストリは縁があるんですよ。ちょっと話しのもってゆき方は強引ですが。 |
1.ウイーン子よ、陽気にやろうぜ くよくよ嘆くは、愚の骨頂 |
また、私が読んだ別の本によると、こんな歌詞も作られていたそうです。これはパロディーで作った替え歌との説もありますが、いずれにせよこの曲が不人気だったことに変わりはありません。喜べと言われても、相次ぐ戦争でボロ負けしたあとじゃ、確かにそりゃ無理というものでしょう。それにしても、おバカなくらいわざとらしい歌詞ですね。かえって「トホホ」という気分を高めてしまいそうです。 |
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ところがこの曲、強引に国民を元気付けようなんていう邪念を捨ててオーケストラ用にアレンジしたら、いきなり大人気作品に化けてしましました。一説によると、ヨハンの妻アデーレがこれはいい商品になるメロディーだと鼻ざとく気付いて、演奏旅行に行く夫のカバンにこっそり入れといたという話しもあります。で、ヨハンが演奏会のアンコールのとき、たまたま手にとったその楽譜を見て「まあこれでいいか」と演奏したところ、聴衆が喝采で大ヒットしたというのです。ホントかな?たぶん、アデーレの名妻ぶり(これは事実)に敬意を表して話しに尾ひれをつけたのでしょう。 |
Donau so blau, so schoen und blau, |
ドナウはかくも青く美しく |
なお、この「青きドナウ」には、ほかにもいくつかの歌詞のバリエーションがあるようです。その中でちょっと面白いのは、R.
リンガーという人が悪乗りして書いた歌詞の3番です。「ウィーンのリズムと同様にドナウは勢いよく流れる、だからライン河をもつドイツとオーストリアは対等だ」なんて書いてますよ。よくわからない論理ですが。強国プロイセンに対して微笑ましいコンプレックスを抱いていたのですね。 |
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