これはNo.22でご紹介した「農民カレンダー」と表紙の絵が同じですが、それもそのはず、実は「農民カレンダー」で使われている記号や絵についての解説を集めた本なんです。
まず最初のほうのページには、昔のカレンダーに出ている平日や祝日などの記号の意味が書いてあります。で、これに続いて下の画像(これは3月のもの)のように各月の絵が12枚並んでいて、その個々の絵の下には数行で各月の絵の構成内容がご丁寧に文章で書かれています。こっちのほうは説明なんか読まなくても、一目見ただけで分かりますけどね。

その次には各日の聖人の絵が延々と並んでいて、そこにその聖人に関する説明が書いてあります。たとえば、下の画像は5月4日の聖人である「聖フロリアン」について解説したもので、「聖フロリアンは4世紀初めにキリスト教徒40人を守ろうとしてローマ皇帝の怒りを買い、ドナウの支流のエンス川に沈められた。今は火消しの聖人として活躍。」と書かれています。このコーナーはとても勉強になりますね。ただ、全部古い書体で書いてあるところはすごく読みにくいです。なかなかノスタルジックではあるのですが。

このほか巻末のほうには、単独の日ではなく数日に及ぶ行事や祝辞に関するマークの解説が数ページついています。
それから、この本の始めのほうには下の画像にある古い1枚型カレンダーの写真も載っています。これはちょっと歴史ある修道院で有名なアドモントという町で発行されたものです。文字が一切入ってないので、オーストリア以外の人でも使えそうですね。
 |