著者はプラハの町をとても誇りに思っているのですが、それが全然イヤミにならないところはさすがです。プラハの人たちの欠点もさりげなく語るところに、作者のバランス感覚が見出せるせいでしょうか。たくさんの写真や絵を交え、淡々としながらも心を込めて書いたことが、よく伝わってきました。それと、訳文がとてもきれいです。それで、私は思わずこの本を3冊も買いました。友人にも送ろうと思って。 ところでこの著者、オーストリアだけはあまり好きになれないようです。だから、私がこの本をオーストリアに関するホームページで取り上げたとを知ったら、少し不愉快に思うかも知れません。しかし、チェコ(当時はボヘミア王国)は、オーストリアにたくさんの影響を与えています。たとえば、オーストリアの主食とされるクネーデル(一種の団子)はボヘミアから伝わったものですし、ウィーンの民衆の音楽と言われるシュランメルンも、ボヘミアからきてますから。私はボヘミアに敬意を感じています。