フランス人の著者が、モーツァルト時代のウィーンにおける市民の日常生活を描写した本。「ウィーンの人はローマ時代から食べ物の話が好き」などと、からかい半分のことも書いてありますが、その目は基本的にウィーン市民に対して好意的です。翻訳の文章が軽快なせいでしょうか、それとも、当時のウィーン市民の楽しみの中に1970年代の日本とどこか似たところがあるせいでしょうか、読んでてとても心地よい1冊でした。