オーストリア散策伝統の宿 > No.02
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Roemischer Kiaser (ウィーン)



Hotel Roemischer kaiser

★★★★

Roemischer Kaiser(レーミッシャー・カイザー)という名前は「ローマ皇帝」という意味です。ローマの皇帝と言っても、あのイタリアの皇帝じゃありませんよ。かつてドイツ語圏を中心に長いこと存在した「神聖ローマ帝国」の皇帝を意味しているのです。ハプスブルク家は代々この神聖ローマ帝国の皇帝を輩出してきましたから、ウィーンにこういう名前のホテルがあっても難儀はないでしょう。

ウィーンの中心街・ケルントナー通りの近にあるくこのホテルは、当初宮中顧問官だったヨハン・フーバーの邸宅として建てられました。1684年のことです。その後、マリア=テレジアの時代には技術学校として使われ、帝政末期の1904年になって、現在のオーナーの手に渡りました。いつからホテルとして開業したのかはわかりませんが、歴史があることだけは事実です。

Roemischer Kaiserは部屋数がたった12室しかない小さなホテルなので、団体旅行客はまず来ないでしょう。だから館内はいつも落ち着いた雰囲気で、心安らかに滞在できます。私は1993年の夏に2泊してきました。ホテルの人によると日本人は屋根裏の部屋を好むそうで、私にもその部屋が準備されていましたよ。



外観


館内1

■すべての部屋が異なるデザイン
左の写真は、このホテルのパンフレットの中でいちばんきれいだと思った部屋です。このホテルの調度品はすべての部屋で異なるため、何度泊まりに行っても飽きないと思います。私の泊まった部屋には、カードゲームを用の伝統的な丸テーブルがありました。他の階では、白とブラウンを基調にしたシックな部屋もあります。


館内2

■レトロ感覚が満喫できるロビー
ネコ足の家具でまとめられたロビーは、小さいながらもちょっとレトロでアットホームな感じです。こうした家具のことを、オーストリアではビーダーマイアー調というのだそうです。あえて日本語にすれば「小市民趣味」ということになりますが、まあ、たまには肩の力を抜いてそうした趣味に浸るのも悪くありません。


館内3

■落ち着いた館内
左の写真は、私が泊まった部屋のドアの前のところです。1回のロビーと同じアンティーク調の椅子がありますね。館内にはこうした調度品があちこちにさりげなく置いてあります。本当んい使ってもらうためのものかどうかはわかりませんが、目にして心が和むことは確かです。また、照明があまり多くない点もいい雰囲気です。



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