オーストリア散策伝統の宿 > No.03
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Kaiserin Elisabeth (ウィーン)
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Hotel Kaiserin Elisabeth

★★★★

Hotel Kaiserin Elisabeth (ホテル・カイザリン・エリザベート)は、ウィーンの中心部、国立オペラ座に近いWeihburggasse(ヴァイブルクガッセ)という小さな通りにある小さなクラシックホテルです。フロントの人の話によると、その昔ここでシシー(エリサベート皇后)が食事をとったことがあるのだとか。そして、シシーの死後12年経った1910年、かの皇后の名前をホテル名にいただいたというわけです。


ホテルの年表

上の画像は、1991年の夏にもらったこのホテルの建物の年表です。私が「シシーに由縁の場所を尋ねてオーストリアを旅しているのです」と言ったら、ホテルのフロントの方が「それじゃあ、おみやげにこのホテルの年表をどうぞ」と言って、くれました。

この年表によると、すでに1348年にはこの場所に建物があったことを記す文献が残っています。ただし、現在の建物は1804年に新築されたものだとか。その後この建物は、1809年にナポレオンの率いるフランスの進駐軍にだいぶ荒らされたものの、のちに修復されて72室のホテルになりました。そして、1910年にはフェルディナント・ヘーガーがオーナーとなり、現在のホテル名がつきました。もっとも、今の経営者はまた別な家の人ですが。

ところで、1910年といえば帝政時代の末期ですが、まだ皇室のある時代にエリザベート皇后の名前を使えたというところに、このホテルの格式の高さがうかがえます。事実、観光ガイドの本などにも、ワーグナーを始めとする文化人などがよく泊まっていたと書いてありますし。


シシーの肖像画

■シシーの肖像画
左の写真は、1回のロビーのところにある、シシーの肖像画です。このホテル、宿泊客のチェックインを受付けるフロントのところはとても質素にできているのですが、逆にロビーは高級感があって、居心地のよさにも大変気を配った作りになっています。これはオーストリアのクラシックホテル全体、にわりと共通することのようです。私は個人的に、こういうのが好きですが。


室内

■広めの室内
左の写真はスタンダードツインの部屋です。中はわりと広くて、家具もちょっとアンティーク調でした。ただ、建物の密集した市の中心街のホテルですから、窓の外の眺めはあまり期待できません。だから、室内でくつろいだら、さっさと観光に行きましょう。


■エンジと白を貴重にしたレストラン
レストランはエンジの布貼りの白い椅子と白一色の壁にシャンデリアという構成で、明るい配色ながら、どこかシックな感じでした。テーブルとテーブルの間隔も、広すぎず狭すぎずで、ちょうど快適なところです。

レストラン

■シシーの便箋
下の写真は、このホテルの各部屋にあるシシーの肖像の入った便箋です。記念に2枚いただいてきました。もちろん、もったいないので使いません。

シシーの便箋


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