また、ヴァルリーゾじいさんは「平和」のほかに「有名になること」も大好きだったようです。その証拠に、この人の写真を見ると体のどこかに「WALULISO」という名が目立つようについています。しかもアップで撮影のときには、それ専用とも思しき名札をピンで胸のところに留めるという用意周到ぶりです。また、近くで大道芸人が自分より目立つことをすると、そちらに向かって露骨に口を尖らせる一場面も。なんだかカワイイじいさんですね。でも、その甲斐あってヴァルリーゾじいさんはしっかりと「戦後最長の政権を誇ったブルノ・クライスキー首相の次に有名なオーストリア人」という評判をもらうに至り、おまけに政府系出版社の発行する「オーストリア百科」にも載るほどとなってますよ。よかったですね。
その後、ヴァルリーゾじいさんは1996年7月21日にウィーンで84歳の生涯を閉じました。もうこのじいさんの姿を見かけることはできません。しかしよく調べてみたら、ヴァルリーゾじいさんの足跡だけはしっかりウィーンに残っていましたよ。例のドナウの川中島にかかる浮き橋に「ヴァルリーゾ橋」という愛称がこっそりつけられているんだそうです。この「ヴァルリーゾ橋」は川の水嵩が増すと危険なので通行不可になるというトホホな橋なんですが、これって生前のヴァルリーゾじいさんのイメージになんだかよく合っているような気もしますね。
このじいさんの存在はギャグだったのか、それとも新たな歴史の1ページだったのか?生前はトーガや腰蓑スタイルのインパクトが強すぎて頭のおかしいじいさんという評価のほうが優勢でしたが、その後は「ヴァルリーゾじいさんがもっと早くトーガを着ていたら、ベルリンの壁崩壊も前倒しになっていたに違いない」というコメントをする人も出てきましたよ。この調子でゆけば、インドのマハトマ・ガンジーじいさんと肩を並べるチャンスもありそうです。頑張れヴァルリーゾじいさん!
◆参考文献:
Wien.at - Rund-un-Wien-Wanderung-geaendert
http://www.wien.gv.at/vtx/vtx-rk-xlink?DATUM=20010831&SEITE=020010831004 freenet.de, Suche im Freenet Lexikonaus Wikipedia-
Donauinsel
http://lexikon.freenet.de/Waluliso
◆画像元:
(1) ヴァルリーゾじいさんの普通の姿 - (Oesterreich
Lexikonより)
http://www.aeiou.at/aeiou.encyclop.w/w164244.htm
(2) 遍路さんみたいな恰好でパラソルをさしたヴァルリーゾじいさん(Photovisionより)
http://members.chello.at/obermann1/humans.htm
(3) 腰蓑スタイルのヴァルリーゾじいさん(Picbox.netより)
http://www.picbox.net/originale/waluliso.htm
(4) ドナウの川中島(Suche im Freenet Lexikonaus Wikipediaより)
http://lexikon.freenet.de/Donauinsel
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