著者は元々パイオニアの社員で、オーディオの設計企画などに従事する傍ら海外の鉄道に興味をもち、退職後も取材を続けているのだとか。そうして著作した本のひとつが、この「オーストリア鉄道物語」です。しかし、この本は単なる鉄道マニア向けのものではありません。むしろ、「鉄道を使って誰もがオーストリアを楽しく旅する」ための本といった感じです。鉄道車両の写真が豊富に掲載されているのはもちろんですが、それに加えてオーストリアの鉄道や市電の利用方法について詳しい説明があるほか、オーストリア各地の綺麗な風景の写真もところどころに掲載されていて、思わずこの国に旅をしてみたくなります。
ちなみに、この本の巻頭の写真にあるアルプスの深い山谷(たぶんフォアアールベルクの山谷と思います)は、私にとってオーストリア留学中に最も印象的だった風景です。また、12ページにあるザルツブルクの鉄橋、121ページから122ページにあるホーエン・ヴェルフェン城、裏表紙にあるメルク修道院の写真も、大変懐かしい風景です。
ところで、この本の著者である長 真弓さんは2006年1月から「鉄道とオーディオのページ」というホームページを開設されています。私は2007年4月にご本人からメールをいただいてそのHPを知り、相互リンクもしていただきました。同HPにはヨーロッパの鉄道とアンプのコンテンツのほか、ヨハンシュトラウスの音楽に関するページもありますよ。
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