オーストリア散策書棚 > No.09
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プラハ幻景
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プラハ幻影

出版元 新宿書房 初版 1987年5月
著者 ヴラチスタ チーハコヴァー 体裁 A5版
訳者 蘆原 英了 ページ数 230ページ


目次

プラハななぜ美しい - p.8 ドアと鍵
リブシェ王妃の予言 石畳の歴史散策
プラハの二つの城 生活の中の芸術 - p.130
街の誕生と都市作り 家の中の美
歴史を物語る場所 - p,34 ボヘミアン・ガラス
聖者が立ち並ぶカレル橋 室内と野外の音楽
「黄金の礼拝堂」国民劇場 広場と遊び
飢えの壁 涙と笑い - p.162
壁時計のある市庁舎 地の精霊
街と人間のたたずまい - p.54 プラハのお化けたち
プラハの都市的性格 ブラック・ユーモア
19世紀のプラハとユダヤ人 道化と人形劇
15世紀プラハへの旅 ヒロインとヒーロー - p.194
城下町、マラー・ストラナの個性 古代ボヘミアの性のデモクラシー
人間的空間のある街 中世のやさしいヒーローたち
古いものの美学 - p.102
妻たちのはなしたこと
紋章のある家 あとがき - p.216


ひとこと


著者はプラハの町をとても誇りに思っているのですが、それが全然イヤミにならないところはさすがです。プラハの人たちの欠点もさりげなく語るところに、作者のバランス感覚が見出せるせいでしょうか。たくさんの写真や絵を交え、淡々としながらも心を込めて書いたことが、よく伝わってきました。それと、訳文がとてもきれいです。それで、私は思わずこの本を3冊も買いました。友人にも送ろうと思って。

ところでこの著者、オーストリアだけはあまり好きになれないようです。だから、私がこの本をオーストリアに関するホームページで取り上げたとを知ったら、少し不愉快に思うかも知れません。しかし、チェコ(当時はボヘミア王国)は、オーストリアにたくさんの影響を与えています。たとえば、オーストリアの主食とされるクネーデル(一種の団子)はボヘミアから伝わったものですし、ウィーンの民衆の音楽と言われるシュランメルンも、ボヘミアからきてますから。私はボヘミアに敬意を感じています。



補足

先日発見したのですが、この本はその後の改訂で表紙が下の下ようなデザインに変わりました。ページ数も256ページに増えています。

プラハ幻影 最新版


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