オーストリア散策書棚 > No.08
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ウィーン世紀末文学選
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ウィーン世紀末文学選

出版元 岩波書店 初版 1989年10月
編訳 池内 紀 体裁 文庫本
ページ数 360ページ


目次

レデゴンダの日記(シュニッツラー作) --- p.7
ジャネット(バール作) --- p.23
小品6つ(アルテンベルク作) --- p.53
バッソンピエール公綺譚(ホフマスタール作) --- p.73
地獄のジュール・ヴェルヌ/天国のジュール・ヴェルヌ(ヘヴェジー作) --- p.91
シャイブスの第2木曜日(ヘルツマノフスキー=オルランド作) --- p.127
ダンディ、ならびにその同義語に関するあんどっれあス・フォン・バルテッサーの意見(シャオカル作) --- p.137
オーストリア気質(フリーデル作) --- p.153
文学動物大百科(抄)(ブライ作) --- p.169
余はいかにして司会者となりしか(クー作) --- p.191
楽天家と不平家の対話(クラウス作) --- p.205
すみれの君(ポルガー作) --- p.242
落第生(ツヴァイク作) --- p. 255
ある夢の記憶(ベーア=ホフマン作) --- p.265
ファルメイヤー駅長(ロート作) --- p.297
カカーニエン(ムージル作) --- p.349


ひとこと


19世紀末のオーストリアの短編小説集です。愉快なものあり、すねたものあり、意味不明のものあり、なるほどと思おうものありで、世紀末というのはずいぶん人の考え方がバラエティーに富んでいたんだな、と感心しました。私のお勧めは、ポルガー作の「すみれの君」、ヘルツマノフスキー=オルランド作の「シャイブスの第2木曜日」、それにフリーデル作の「オーストリア気質」です。「すみれの君」は、落ちぶれたとはいえ元貴族の男が、意地でもダンディーを通すというおはなし。「シャイブスの第2木曜日」は、町の人々のささやかな願いを誤解して政府や世界の人々が大騒ぎするというストーリー。「オーストリア気質」は、オーストリア人というよりも、人間全体の欠点を優しくお笑い種にした短編です。



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